「なんとなく不調」で悩んでいる女性に読んで欲しい本

20代後半から月経前症候群、子宮頸部異形成、子宮筋腫、不妊治療、と色んな女性特有の婦人科系疾患に悩んできました。そして、仕事頑張りたいのに体がしんどくて仕事頑張れない!と思うこともしばしば。「女性活躍」と言われますが、「女性は毎月生理で体調に波があるのに、男性と同じように毎日コンスタントに働くって出来なくない?!」とずっと思っていました。

「女性のヘルスケア」を「社会的課題」として投げかけてくれているのが、本日ご紹介する本です。女性特有の疾患に悩んでいる方や、なんとなく不調がある方にぜひ読んで頂きたい一冊です。

生理に伴う症状による日本社会の労働損失

「生理に伴う症状による日本社会の労働損失(本から抜粋)」はいくらか考えたことありますか?

私は「生理で男性と同じように働けない」ことにもどかしさを感じつつも、「生理で休んでしまう私は怠け者」とネガティブな感情を持っていました。

でも、生理に関する不調は「生理に伴う症状による日本社会の労働損失」なんですよ!この言葉は本の冒頭で出てくるのですが、まず「生理のしんどさ=怠け者」ではなく、「生理のしんどさ=労働損失、で社会でケアすべきものだよね!」と個人的に拍手喝采でした。

なので、生理等で何となく不調で仕事に支障がある皆さん。私たちが「怠け者」なのではない。「労働損失に繋がらないよう、きちんとケアされるべき不調なんだ」と自信を持ちましょう!笑

ちなみに、この「生理に伴う症状による日本社会の労働損失」。いくらになるか想像つきますか?その金額は驚きの・・・

年間4,911億円これに医薬品の負担や通院費用まで含めると6,828億円まで膨れ上がるそうです。

この数字は経産省も紹介しており、女性の健康問題の解決に取り組む人たちの間では有名な話なのだそうです。

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/josei-kenkou.pdf: 「なんとなく不調」で悩んでいる女性に読んで欲しい本

生理による不調は怠け者ではない。男性よりハンディキャップを持って働き続けている私たちは、十分頑張っている!

子宮頸がん

子宮頸がんは20代後半〜40代の罹患者率が非常に高いそうです。ちょうど出産を考える時期なので、「マザーキラー」とも呼ばれるがん。

私も36歳の時に、子宮頸がんの前段階である「子宮頸部異形成」と診断されました。私は「がん家系」なので、20代後半から「乳がん検診」は年に1回、「子宮頸がん検診」は2年に一回、健康診断の時に受けていたので、36歳の健康診断の子宮頸がん検診で「高度異形成」を見つける事ができました。

異形成の診断は「細胞診(綿棒みたいなやつで子宮頸部の細胞をこそぎ取るもの)」と「組織診(細胞をパンチみたいなもので少し切り取って病理検査するもの)」で確定診断が出るのですが、私はいつも「細胞診:高度異形成」、「組織診:異常なし」との検査結果で、約1年間確定診断が出ませんでした

「高度異形成」を指摘された頃、ちょうど結婚をしました。結婚したのが36歳なので「早く子どもを授かりたい!」との希望も叶わず、確定診断が出ないため約1年妊活禁止。そして、最悪の場合は「子宮摘出で子どもを望めないかもしれない・・・」そんな絶望的な気持ちも何度か味わいました。

結果的に、検診から約1年後。「中等度異形成」との確定診断、その数ヶ月後に「異形成消失」し、現在は無事に不認治療をする事が出来ています。

HPVワクチン

子宮頸部異形成の実体験から、もし私に女の子の子どもが出来たら「HPVワクチンは接種させよう!」と思っています。日本は、ワクチンの副作用報道で一時ワクチンの積極接種の呼びかけが止まっていましたが、2022年4月よりワクチンの積極接種呼びかけが再開されました。

その背景にこの本の著者の一人である堀江貴文さんと、堀江さんが理事を務める「予防医療普及協会」の働きがあった事に、とても驚きました。

そして、HPVワクチンの積極接種が止まっていた1997年4月2日〜2006年4月1日生まれの女性は、2022年4月〜2025年3月までHPVワクチンを公費で接種可能なので、ぜひ女性の皆さんには、私のように妊娠したい!と思った時に妊娠できるよう、そして自分の命を守るために、HPVワクチンの接種を積極的に検討して欲しい!と思っています。

子宮頸部異形成=淫らな女性?

子宮頸部異形成になった際、姉に相談していると「そもそも異形成は性交渉によって感染するってあったけど、遊んでたからでしょ?!」みたいなことを言われました。(お姉ちゃんひどい・・・笑)

そしてつい最近、友人との飲み会で「私一時期いろんな人と遊んでる時があって。だから中等度異形成になったんだと思うんだよね」とまたまた「子宮頸部異形成淫乱のように話してました。

「子宮頸部異形成=淫らな女性」って本当にやめてほしい!笑。

「子宮頸部異形成と子宮頸がんの主たる原因は、ハイリスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染で、HPV感染は多くの場合、性交渉により生じる」と言われています。そのため「性交渉で感染する=性生活が派手な人が感染する病気」とイメージするのかもしれません。でも、一度しか性交渉の経験がなくても、相手がHPVウイルスに感染していたら自分も感染し、それが持続感染したら子宮頸部異形成が発症します。

この変な誤解?を解き「子宮頸がん」や「子宮頸部異形成」について正しい知識を持ってもらうためにも、この本はぜひ一度読んで欲しいな、と思っています。

セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)という言葉、皆さん知っていますか?私はこの本で初めて知りました。日本語では、「性と生殖に関する健康と権利」と訳される言葉だそうです。

「出産や性生活について、習慣や国の人口政策などを押し付けられず、女性が自分で決める権利」を表しているそうです。

女性が「中絶、妊娠」など、女性の体に負担がかかる事象が発生した際に、「女性自身が決める権利」や「人工中絶」、「経口避妊薬」等について語られています。「性教育」や「人工中絶」について考えさせられ、自分の中ではまだあまり咀嚼できていません。

でも、自分に子どもができたら「自分が納得する性教育」を子どもに伝え、そして「性」に関する悩みを否定する事なく受け入れられるよう、自分自身も「性教育」について、改めて勉強しないといけないな・・・と考えさせられました。

女性の不調のいろいろ(ピル、不妊治療、更年期)

その他にも、この本にはビル、不妊治療、更年期、等についても記載されています。

生理、不妊治療に伴う不調(薬の影響)、更年期、その他婦人科系疾患で、何となく体調悪いな・・・と感じる女性は多いと思います。でも、女性は「これはただの生理だから」、「更年期だから」、「薬の影響だから」と我慢をしていると思います。

今までは男性と対等に働くため、そうある事が「美徳」だと思われていた(私もそう思っていた)節があると思うのですが、そうじゃない。それぞれの不調に対して「辛い」ということを自覚し、ケアをして、心地よく仕事をしていきたいな・・・そんなことを考えさせられました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

個人的にはこの本を使って管理者研修をし、「女性のヘルスケア」について話し合う機会を設けたいな・・・と思いました(もうフルタイム会社員じゃないけど、笑)。それくらい、女性自身はもちろんのこと、経営層、上司に読んで欲しい1冊でした。

「女性が我慢せず、健やかに働けるような社会」

そんな社会の実現に向けて、養生生活で女性の不調を少しでも楽にできるようにサポート出来たら・・・なんて妄想しながら、この本を読み終えました。ぜひ、皆さんも読んでみてくださいね〜。

: 「なんとなく不調」で悩んでいる女性に読んで欲しい本

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