「くらくら」、「ふらふら」。めまいの原因は?

皆さん、「めまい」を感じた事はありますか?私の周りだけかもしれませんが、28歳を過ぎたあたりから「最近めまいがするんだよね・・・」という女性が増えてきました。私も28歳を過ぎた頃から、一時は慢性的に「くらくら」するめまいに悩まされてました。当時は原因が分からなかったのですが、漢方の勉強をして「あの時の私の症状はコレか!」という発見がありましたので、今日はそのお話を・・・。

めまいの考え方

めまいは「眩暈」と書き、とは目がくらんだり目の前が真っ暗になること、とは頭がふらふらしたり目がぐるぐる回ることを指し、二つの症状が同時にあらわれる事が多いので、一般的には「眩暈」というそうです。

また、漢方的には「めまい」と「頭痛」の発症メカニズムは同じだと考えます。発症原因は同じですが、人によって「ふらつき=めまい」もしくは「痛み=頭痛」となって不調が現れます。

生理機能をつかさどる「五臓」

この表題、突然出てきてすみません・・・笑。

でも、めまいの原因を語る上で「五臓」はとても重要!五臓の話なくしてめまいは語れないので、本題に入る前に、少し「五臓」のお話しにお付き合いください。

「五臓」とは、具体的な臓器ではなく、体内で起こっている5つの生理機能を現したもので、生命活動の基礎となる「気・血・水」の生成・貯蔵・運搬を担うものです。(気・血・水の詳細は以下参照!)

漢方的視点:人の体は「気・血・水」から構成されている!
漢方では、人の体は「気・血・水」で構成されていると考えます。西洋医学とは全く違う観点なので、そんなもんなのか〜と思って読んでいただけると嬉しいです。漢方的視点で、人の体の構成を綴っています。

ちなみに、漢方でいう「五臓」とは西洋医学でいう臓器とイコールの関係ではなく、もっと広い範囲での組織器官のはたらきを包括する生理機能です。

「そう言われても現代人の私たちにはよくわからん!」ですよね・・・笑。なので、今は西洋医学での機能を五臓に割り当てて、以下のように分かりやすくされています。

五臓 つかさどる機能
(かん) 自律神経、情緒など
(しん) 心臓の循環機能、意識など
(ひ) 消化吸収機能、水分・栄養の代謝など
(はい) 呼吸機能、皮膚機能など
(じん) 生命維持機能、生殖機能、泌尿器系など
※赤字部分が「めまい」と関係ある五臓です!詳しくは以下で説明していきます

個人的には、「つかさどる機能」は何となく漢字の通りだな〜という印象で、なるほど〜と思っているのですが、皆さんも「なるほど〜」と温かい目で見ていただけると幸いです。笑

めまいは「肝(かん)」の影響を受けている!

漢方では、身体の臓腑、器官、経絡などの活動は全て「気」がめぐることによって動いている、と考えます。この「気」をめぐらせるはたらきを漢方では「疎泄(そせつ)」と言い、この「疎泄」のはたらきを主るのが「肝」です。また、「肝」には精神状態を安定させる役割もあります。

「肝」は「怒り」や「考えすぎ」、「ストレス」などに影響を受けます。そして、怒り、考えすぎ、ストレスに晒されると、この「疎泄」の働きが滞り、体に様々な不調が現れてきます。

めまいの原因の一つに、この「肝」の「疎泄の働き」が正常に機能しない事が挙げられます。

めまいは「脾(ひ)」の影響を受けている!

「脾」は飲食物の消化吸収を主に担っています。吸収した栄養物を気・血・水に変え、全身に供給しています。

また、「脾」は食物から吸収した栄養物質を頭などの上部に運ぶはたらき(昇清)があります。この働きが弱まると頭部に栄養が届かず、めまいの症状として現れることがあります。

めまいは「腎(じん)」の影響を受けている!

「腎」の主な機能は精気(精)を貯蔵することです。精は人体の基礎物質で「先天の精(両親から受け継ぐ生命力)」と「後天の精(日々の食事から吸収する栄養素)」があります。

「先天の精」は両親から受け継いだものなので、ここが増えることはありません。「腎」は「後天の精(日々の食事)」により補われ、満たされています。それがある年齢を超えると後天の精で「腎」を補いきれなくなり、衰え始めます。つまり老化です・・・。

また「腎」は「髄(骨を満たし、脳を補益するもの)」を作り出し、「髄」は脳に通じています。「脳は髄の海」と呼ばれており、「腎」が満たされいると十分な「髄」があると脳に運ばれ、力が満ち、記憶力も良い状態になります。しかし、老化により「腎」の「精気」が不足し(腎が満たされず)、十分な「髄」が脳に届かないことから、頭がぼんやりする、記憶力減退、めまいなどの症状が現れます。

めまいの原因①:体内に発生する「風」

強いストレスや激しい怒りなどによって五臓の「肝」が鬱結(詰まる)ると、「肝の疎泄の働き」に影響を与え、「気」が滞ってしまします。その状態がつづくと滞った気は「熱」を帯び、さらにその熱により体内に「風」を生み出します(肝陽化風)。「風」はからだを揺り動かす性質があり、この「風」によって「めまい」が発症します。

怒った赤ら顔
怒った赤ら顔

怒りで顔を赤らめてプンプンしているこういうイラスト、よく見ると思いますが、これです。

怒るとか〜っとして頭に血が昇る=気が詰まる(←ちょっとこじつけ)、そして熱がこもる、熱は風を生む(自然界でも、太陽で熱せられた空気が上昇する時に風が発生しますよね。あれと同じ原理だと理解しています。詳しくはGoogle先生に聞いください!)。風が草木を揺らすように、人の身体も揺り動かす=めまいがする、という感じです。

めまいの原因②:体内に発生する「痰湿(湿気)」

暴飲暴食により、「脾」に負担をかけることで、「脾」のはたらきが低下。そうすると体内に痰湿(ねばっとした湿気)が溜まります。この痰湿が頭部に溜まると、「脾」の「頭部に栄養を運ぶはたらき(昇精)」が弱まり、十分な栄養を頭部に運ぶことができなくなり、めまいや頭痛となって不調が現れます。

めまいの疾患でよく聞く「メニエール病」の原因は、漢方ではこの「痰湿によるめまい」と言われています。漢方薬では、体の湿気を取り除き、胃腸の働きを整えることで対処していきます。

養生では、水めぐりを良くし、暴飲暴食をせず胃腸の環境を整えることが必要です!(詳しくは後日別ページで解説してみます!)

めまいの原因③:「元気と栄養」が足りない、「老化」

思慮過度(思い悩みすぎ)、疲労、暴飲暴食などで「脾」のはたらきが弱まることで、栄養分を気や血に変える力が弱まり、体の中の気・血が減少。すると、体の元気がなくなり、頭部まで十分な栄養分が届かず「めまい」が起こります。

20代後半で慢性的なめまいに悩まされていた私の原因は、これかな〜と思っています(あと、ストレスもあったので、「原因①:風」の影響もあったかと)。当時の生活を振り返ると、仕事が忙しくて朝から深夜まで仕事をするのは当たり前。ご飯作るの面倒、1分でも寝ていたいので、朝食抜き、昼はカップラーメン、夜はビールとおつまみ、という生活。若く体力があったから仕事出来てましたが、30歳近くなると「めまい」という症状で不調を感じていたのかな・・・と想像しています。当時の自分に「ご飯食べなさい!ちゃんと栄養取りなさい!」と叱りたい。

また、「腎」のところでも触れましたが、「腎」は精気(精)に貯蔵されていて、この精気が「髄」を生成します。ただ、老化により「腎」に貯蔵されている精気が減少→「髄」を作る力が弱まる→「髄」を通して、脳の栄養になる精気を送っていたのに、その「髄」が不足して、脳に十分な精気が送られない→脳を養うことができない→めまいが起こる、という感じです。

過労、暴飲暴食、老化により、脳に必要な栄養素が脳に届かなくなることにより、めまいが起きるのです。

まとめ

めまいの原因、いかがでしたでしょうか?私は「身体に起こる風」と「栄養不足」によるめまいを併発していたのではないかな・・・と思います。今も疲れるとめまいがあるので、「私は慢性的に栄養不足なのか?!」と思ったりします。笑

漢方の勉強を始めてから、めまいが出た時は「これは疲れのサイン!」と思って、22時くらいには寝て体力回復に努めています。女性の皆さんは、「寝ること」が一番の養生ですので、少しでも不調を感じたら、夜1分でも早く寝ましょう!

めまいの原因別養生方法はまた、別の記事で綴りたいと思います!

私の不調の原因はこれなのか?!と少しでも興味を持って養生生活を始めていただけると嬉しいです。

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